数の概念が入らない算数に困難のある学習障害児の勉強法1

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学習障害で困ること。算数の場合。

学習障害の子で、小学校入学後に困る1つは文字が書けない、覚えられないということ

(漢字についてはこちらもご参考に➡学習障害児(LD)の効果的な漢字学習法~小学校低学年編)

もう一つは、数の概念がどんなに教えても入らないということ、です。

その片方のみが表れる子もいれば、両方の子もいます。

残念ながら、うちの場合は両方でしたので、今日は数の概念が入らない子の学習方法について書きたいと思います。

「1」が1つだって分かるのは定型発達

1が1つだって分かるのは、当たり前だと考えていませんか?

実は分からないこともあるのです。それが、「数の概念が入らない」ということです。

子供が小さい時はおやつなどをだして、「これが1つだよ」って教えますよね?

私もそうやって教わって、それが1っていうことで、「1」って書くんだなーと学びました。

ところが、息子くん。何度教えても分からない。数字と数が結びつかないのです。

しつこくやると癇癪起こしてしまうので、注意深く観察をしたところ、どうやら体の協調性にも問題がある様子。

「1」って言いながら、1つを取ったり分けたりすること自体が彼にはハードルが高かったんです。彼の気持ちとしてはきっと「言うか、やるかのどっちかに集中させてくれよ」といった感じだったのではないかと思われます^^;

小学1年生の1年間をかけて、1から10の数字と数を結びつける作業を繰り返しました。

1年間ですよ?!

なんとも気の遠くなる作業でしたが、あるもので釣ることに成功しまして彼の学ぶ意欲を起こさせました。

そのあるものとは。。。

実は「ラムネ菓子」です。こういうのですね。↓

 

食いしん坊の息子くんは、舌の触覚過敏からくる好き嫌いが激しかったので噛まなくても食べられるラムネのために数を覚えたのでした。

やることは単純。

「1」を見せて、ラムネ菓子を1つ取ることができれば食べられる、というわけです。

この作業、やはり体の2か所以上の場所を動かすのが苦手な子には、結構難易度が高いものでした。ぎこちない動き、体の協調性が低い子供は運動だけでなく、学習面でも影響が出ているということを実感しました。

上手くできなくて癇癪を起す姿も何度も見ながらでしたが、諦めず、何度(何十回、何百回)も繰り返すことで最終的には習得できたわけです。

ちなみに、片手の指で表現できる1~5の理解は3か月。両手の指が必要なもの(6~10)に関しては残りの9か月ほどかかりました。

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足すより引くは難しい

さて、1から10の数が頭に入ったところで、足して5までの数の足し算はなんとかできるようになりました。

片手の指を見れば、数を具体的にイメージできる、ということはかなりの助けになったと思います。

足して6から10となる足し算には、ちょっと手こずりました。

片手で足りない分を隣の手から借りてくるということが難しさの原因になっていたかと思います。

これも両手を使うという運動からくる難しさで、数を覚える以前の問題でした。

この段階では絶対に具体物がないと理解できない状態ですので、ラムネがない時は、消しゴムとかおはじきとか、色々用意しました。でも、具体物はやはり本人の好きなものだと意欲が違うので、本人に選ばせるのがお勧めです。

おはじきは、算数セットでなくてもこういう普通ので十分です。

 

10までを足せるようになったところで次にやるのが、10になる数の組み合わせ。

1と92と8…。といったもの。これはなかなかうまくいかず、2~3年生の間ずっと繰り返し練習し、最終的に引き算の形にもっていったときに、10引く9が1だということを正確に理解したのは3年生の終わりくらい。10引く3、10引く2など、引いた数より残っている数が大きな数になると今でもちょこちょこ間違えるので、そういう難しさはずっと残っていくのだろうなあと思います。

では、ずっと間違え続けるしかないのか?というと、そうではありません。やはり繰り返し練習することで、経験的に学ぶことはできるので、1日1問でもやれば即答はできるようになります。ただし、ワーキングメモリの狭いうちの息子のような子だと、やらなくなるとまたゼロからやり直しになるので、クイズ形式で遊びの中に取り入れると良いでしょう。

私「足しで10になるペアの数字教えてね!じゃあ7の時は?」

息子「3!」

のようにやっています。

【10-1】や【10-4】のようにやると、減っていくという概念自体が理解しにくいようでハードルは一気にあがってしまいますので数自体が嫌いにならないように注意しながらやっていってください。

引き算をやる時は、足し算よりも丁寧に具体物を動かして、目の前で何度もやってみせてください。

保護者の方がやってみせた後に、お子さんにも保護者の方に対してクイズを出してもらうと楽しんでやってくれると思います。

この辺りのことを、塾にお任せしようとして個別指導塾に入れたことがあったのですが、塾だと先生の質問に対してあてずっぽうで答えたらそのうち当たるかも?とか、「うん」と返事をすればいいという、要領の良さだけを覚えてしまって全くダメでした。

数の概念を覚える練習は、家庭の中で、細切れの時間に取り入れて1日に何度もやると効果的です。

まとまった時間にやると、お子さんも保護者の方も熱くなってしまって、算数嫌いになってしまうかもしれませんしお互いに辛いので、ちょっと時間が空いた時に。。。くらいの気持ちで1日に5回以上繰り返せたら理想的です。

2年生になると九九なども入ってくるので、数の概念が理解できないと全てが分からず、お母さんお父さんとしても焦る気持ちはあるかと思いますが、最初が肝心ですので、まずはしっかりと1~10の数の概念を「1」~「10」の数字に結びつける作業をしっかりとやってあげてくださいね。

できなくても、何度も根気強く繰り返すこと。

これが、学習障害の子の学習の基本だと思います。

大変ですが、親子で諦めずに頑張ってください。

 

 

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